金沢市の中心部から車で山側環状線を北東方面に走ると左手に黄色いハデなカラーに緑の三角屋根が特徴的な建物が見えてきます。それが私達の勤務する医王病院です。病院南東側に当院名称由来の医王山がそびえ、敷地東側に隣接した丘陵地には堅田城跡公園が整備された自然に恵まれた環境にあります。
医王山というと金沢大卒、北陸大卒の先生方はおそらく学生時代に駆け巡った記憶のある山だと思います(私だけ?)。その名称由来は、722年に当時の帝である元正天皇が大病にかかられたので、泰澄大師という方が薬草の多いとされているこの山の薬草を献上したところ快癒され、帝はこれを大いに喜び泰澄に神融法師の称号を授け、山を医王山と命名されたと言われています。「医王病院」というと、全国的には「どこにある病院?」となることが多いのですが、医王山の名称由来を聞くと病院の名称に相応しい冠のような気もします。
当院は、北陸地区における神経・筋難病、重症心身障害児医療など障害児(者)医療に特化した専門的な入院医療施設です。薬剤科は、平成26年3月現在、定員6名のところ欠員1名、育児休暇1名で4名の薬剤師で奮闘中です。今年度はなんといっても、金沢医療センターと共同で開催した国立病院総合医学会が一番大きなテーマでした。副会長施設としてこれを成功裏に終えることができ、本当にホッとしています。
しかしそれも束の間、3月10日には電子カルテの更新が控えており、その準備に追われる毎日です。薬剤科のシステムも増設され、これまでには無かった注射のバーコードラベル発行やDI情報、水剤監査システム、麻薬管理システム、血液製剤管理システムが新設されます。また、4月になれば散剤分包機2台が新機種に更新され、Pandora(TOSHO社製:薬剤システムと連動して自動で開く薬品ケースユニット。費薬計算も自動でしてくれる。)という薬品棚も導入予定です。
病院の建て替え工事も控えており、落ち着かない日々が続きそうですが、帝に献上された薬草と変わらない有用な薬を患者さんに届けるべく、薬剤科員一丸となって頑張っていきたいと思っています。薬剤科は狭いスペースでなんとか遣り繰りしているのが現状ですが、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。