静岡市の中心部から北東約6kmの地点にあり、周辺は市街化調整区域に指定されて緑地公園がつづき、四季を通じ閑静・温暖です。所在する漆山地内には、県立こども病院、県立中央特別支援学校、県立北特別支援学校があり、また周辺には福祉施設等が多く、「医療・福祉・教育」エリアを形成しています。すぐ近くには、広大な美しい自然を抱えた遊水地があります。交通はJR静岡駅からバスで約30分、東名高速清水インターより約20分、東名高速静岡インターより約30分、最もアクセスの良いのは新東名高速新静岡インターより、県道74号線を南へ数分です。
当院はてんかん196床、神経難病50床、重症心身障がい160床、計406床の入院病床があり、静岡県のてんかん支援拠点病院、日本てんかん学会の包括的てんかん専門医療施設、難病医療協力病院、静岡市認知症疾患医療センターとなっています。
てんかん科は、平成22年に静岡てんかん地域ネットワーク研究会を立ち上げ、平成27年11月には厚労省の「てんかん地域診療連携体制整備事業」における全国7か所の拠点病院の一つに指定されました。現在は全国に30施設が指定されているてんかん支援拠点病院の一つとして連携強化を進めています。乳幼児から高齢者まで、正確なてんかん診断や原因・背景疾患の診断から新規抗てんかん薬の調整も含めた合理的薬物療法、てんかんの外科手術(約70件/年)や食事療法、免疫修飾療法まで、県内はもとより日本全国、さらには外国の患者さんにも対応しています。
脳神経内科は、令和5年12月のレケンビ発売を機にアルツハイマー病を中心とした認知症診療の比重が大きくなっています。これまで診療の主体であったパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症などの中枢神経疾患、多発性神経炎をはじめとした末梢神経疾患、重症筋無力症やミオパチーといった筋疾患の診療も継続しています。
薬剤部は2023年12月にアルツハイマー病の新しい治療薬レケンビが発売となり、院内でワーキンググループを立ち上げ、適正使用に向けた運用の検討を行い、2024年2月よりスタートとしました。これに伴い薬剤部では、薬剤師外来として医師の外来診察前に持参薬・併用注意薬剤の確認やアドヒアランスのチェックなどを始めました。2025年1月までに治療開始患者数は40名で県内でも多い導入施設となっています。チーム医療においては、医療安全、感染対策チーム、褥瘡対策チーム、栄養サポートチームに参画しています。
薬学生の病院実務実習は、静岡県立大学の薬学部生毎年1名受け入れています。また、てんかん専門職セミナー、てんかん看護セミナー、認知症疾患医療センター市民公開講座など外部向け研修会の講師も担当しています。
〇パープル・デー
毎年3月 26 日にてんかんへの関心、意識を高めるため、てんかんが誰にでもかかりうる可能性があり、いろいろな症状があることを理解して頂き、一人でも多くの方が早期発見、治療につながるように、紫色の物を身に着け、世界中で活動を行っています。
当院においてもパープル・デーに合わせ、さまざまなてんかんの啓発活動を行っております。昨年は、サッカーJ2の藤枝 MYFC 様のホーム開幕戦にて入場者にパープル・デーにかかるグッズを配布したり、静岡市役所において開催されるイベント(ライトアップ点灯式)へ出展したりするなどさまざまな啓発活動を行いました。